ICT法面工におけるUAV写真測量において、計測精度の検証に大きくかかわるのが写真撮影時のカメラセンサーの位置の正確さです。ドローンは、写真撮影時のカメラセンサーの位置を記録しますが、記録した位置は本来の位置とはわずかに異なります。
その理由は、以下の通りです。
- ドローンは常に動きながら撮影しているため、風速や天候などの外的要因の影響を受ける。
- ドローンは衛星を受信しながら自己位置を把握しているが、電波状態によってはうまく受信できず実際の位置とはずれることがある。
- カメラセンサーの位置を記録する際、記録を保存する場所へ保存するまでの間にタイムラグが生じる。
以上のカメラセンサーの位置がずれる要因を改善するために、RTKシステムで常時ドローンの自己位置を補正したり、PPKで誤差の後処理を行うなどの方法があります。しかし、RTKシステムやPPKで補正したとしても、数センチの誤差は生じます。
この誤差を小さくするために必要なのが、下記のような対空標識(標定点・検証点)と写真の紐づけ作業である。
- 写真測量に使用する対空標識の中心点(標定点や検証点)の座標値をTSなどで取得する。
- 取得した座標値を写真から点群化するためのソフトに取り込む。
- 取得した座標値と、写真上に映る検証点や標定点とを結びつける。
以上の作業で取得したデータと、検証点の座標値を比較し、誤差がICT法面工の適用工種の要求計測精度を満たしていれば、作成した3次元点群データを出来形管理に活用することができます。